コラム2

大腸癌検診について

初めまして。赤羽中央総合病院外科副院長の佐藤浩之と申します。

東京女子医科大学消化器病センターで外科医としての研修を始め、かれこれ30年目になりますが、そのうちの大部分を、ここ赤羽中央総合病院で過ごさせていただいていますので、患者様の中には一家三世代は勿論、四世代にわたって拝見させていただいている方々もいらっしゃいます。地域に根ざした医療をモットーに日々研鑚を積んでおります。

私の専門は外科の中でも消化器、つまり腹部内臓の外科を扱っていますが、切った張ったの治療だけでなく、内科的な検査・薬物治療も行っていますので、お腹の具合が悪いと思いましたら当院外科を受診してください。

さて、第1回目の本稿は最近注目の大腸癌検診について話をしましょう。

一般的に大腸癌検診では便を2日分採取し、潜血反応を見る検便2日法が行われており、簡単で検出度が高いとされ広く行われています。しかしポリープや痔でも陽性になるので、陽性だからといってむやみに心配する必要はないのです。実際に、便潜血陽性者は全体の7%程、その中で実際に癌が見つかった方は2%程度となり、大腸癌の患者さんは検査を受けた方1000人に一人ぐらいの割合に過ぎません。
しかし、癌が実際にあるのにもかかわらず、検査が陰性となる(疑陰性)という方もいます。実は検便一回あたりの陽性率は早期癌で約50%、進行癌でも70〜80%程度とされています。しかし回数を重ねれば、早期癌でも2回で75%、3回で82.5%と陽性率は上昇していきますので、毎年便潜血検査を受ける事が大切とされているのです。

このコラムで先ず大腸癌検診を取り上げた理由は、大腸癌は唯一検診で予防できるとされている癌だからです。大腸癌検診で陽性となった方は、実際に検査すると大部分が良性の腺腫というポリープや炎症性の過形成性ポリープしか見つからない事がほとんどです。しかし、大腸癌のほとんどは良性の腺腫が大きくなっていく過程で、何段階かの癌遺伝子の変化を経て癌化することがわかってきました。ですから、検診で腺腫が見つかった時点で切除してしまえば、大腸癌のほとんどは予防できるのです。一般的にはほとんどの癌は最初から癌で発生する事がほとんど(de novo癌と言います)であり、早期で見つかっても、癌である限り常に転移の可能性を考えなければならないのです。しかし大腸に関しては、癌になる前の段階の腺腫のうちに大腸鏡で簡単に切除できてしまいますので、定期的に検査を受ける事で大腸癌の発生を防ぐことができると考えられているのです。
次回は大腸癌検診の二次検診について取り上げます。