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コラム5

心臓を守る食事のコツ~心臓病教室より~

浮間中央病院 管理栄養士  松崎 カオリ・亀岡 奈津季


心臓を守るためには、できることから習慣化することが大切です。
 当院で3月に行った心臓病教室の内容をまとめました。日々の食生活を見直すことで、生活習慣病を予防し、皆様の健康維持にお役立て頂ければと思います。

•自分の標準体重を知り、肥満にならないための食事量を知りましょう。
 エネルギー摂取量の計算方法

エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量

標準体重の計算方法
標準体重(㎏)=[身長(m²)]×22

身体活動量の目安
軽勞作(デスクワークが主な人、主婦など):20~30㎉/㎏標準体重
普通の労作(立ち仕事が多い職業):30~35㎉/㎏標準体重
重い労作(力仕事の多い職業):35~㎉/㎏標準体重
例)150cmの人のエネルギー摂取量は?
・標準体重(kg)=(身長m×身長m)×22
1.5×1.5×22=49.5≒50kg
・エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量
    普通の労作;30kcal/kgとすると
    50kg×30kcal/kg=1500kcal
※心臓病の予防と治療では、体重を適正に保つことが、重要になります。

•栄養バランスの良い食事を
食事は、毎食、主食・主菜・副食をそろえ、間食で乳製品や果物を補いましょう。五大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミン)をしっかり摂ることが生活習慣病の予防・改善につながります。
普段の食生活から、外食はほどほどに、揚げ物など高カロリー・高塩分な食事は避けて、和定食をイメージし低エネルギーメニューを選びましょう。
また、アルコールの過剰摂取はコレステロールの増加につながります。日本酒なら1合、ビールなら500ml、ワインならグラス2杯(240ml)程度が適量とされています。お酒は適量を心がけましょう。

•血液サラサラ効果と血管を丈夫にする食材選び
•青魚に多い脂の成分EPA、DHAは血中の中性脂肪とLDLコレステロールを減らします。あじ、いわし、さば、さんまぶりなど・・・酸化されやすい脂の為、新鮮なうちに食べましょう。
•いか・たこ・貝類に多く含まれるタウリンは血中コレステロールの沈着を抑制します。動脈硬化から起こる狭心症や心筋梗塞の予防に有効です。しかし、その反面いか・たこは、コレステロールを多く含む食品の為、LDLコレステロールが高い人は頻繁に食べる事は控えましょう。
•生活習慣病から心臓病を起こす人の食生活は肉中心になりがちです。肉の頻度を減らし、肉なら赤身を中心にとりましょう。
•大豆・大豆製品のたんぱく質には、LDLコレステロール値の低下、血圧調整、肥満予防などの働きがあります。納豆には納豆キナーゼという酵素が含まれ、血栓を溶かす作用があります。しかし、抗凝固薬のワーファリンを服用中の方は控えましょう。
•野菜、特に緑黄色野菜には抗酸化力が豊富で動脈硬化や心臓病の予防の効果が期待できます。野菜類は一日350gを目標にしましょう。 • きのこ類は食物繊維やビタミン豊富でヘルシーな食品です。食物繊維のベータグルカンという成分が、脂質の吸収を抑え腸内の余分なコレステロールの排出をスムーズにします。便秘によるいきみからの心臓への負担を避けられます。
•果物はカリウムを多く含み、体内のナトリウムを排出して高血圧の予防・改善に役立ちます。ただし、食べすぎると体内での吸収が早く中性脂肪になりやすいので注意が必要です。

•生活習慣病を防ぎましょう
•虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)は心臓を動かす筋肉に酸素や栄養を運ぶ冠動脈にコレステロールなどが沈着し、動脈硬化が進行することで起こります。
•脂質異常症(高脂血症)は動脈硬化を進める最大の危険因子です。心臓病の予防には血中のコレステロールを増やさない事が大切です。コレステロールが多い食品を食べる際は、食物繊維を多く含む野菜や海草を組み合わせると余分なコレステロールの排出を促してくれます。
•脂質異常症の人は、1日のコレステロール摂取量は200㎎未満を目標に。
•慢性的に血圧が高い状態が続く高血圧も動脈硬化の原因に。近年の日本人の食塩摂取量は10~11gですが、高血圧の人は1日6g未満を目標にしましょう。
•血中に糖が増えた糖尿病の段階から細い血管や冠動脈などの太い血管にも悪影響が及び動脈硬化が進みます。適正なエネルギーを守りバランスの良い食事(主食・主菜・副菜を毎食そろえる)を心がけましょう。

2017年8月2日


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