コロナ後遺症センターのご案内
浮間中央病院ではコロナ後遺症の全身倦怠感でPS値9, 8の患者さんでも独自に開発した先進的治療で殆どの患者さんを社会復帰させてきており、令和7年にコロナ後遺症センターを設立しました。コロナ後遺症の全身倦怠感が治らない患者さんや寝たきりの患者さんは精査の上、適切な治療をいたします。
目的:コロナ後遺症全身倦怠感の患者さん個々の病態を精査し、適正な治療を行うことによりコロナ後遺症で苦しんでいる全国の患者さんを救済する
内容
対象:コロナ後遺症全身倦怠感患者さん(寝たきりの重症を含む)
精査:脳MRI(VSRAD)、内分泌学的検査
治療:副腎不全へのステロイド補充
脳ミトコンドリア障害へのタウリン・CoQ10
脳免疫抑制:ミノサイクリン、抗リウマチ剤(リマチル、ケアラム)
ステロイドセミパルス療法
リハビリ:段階的運動療法GET療法、歩行支援ロボット
体制
医師:福田(内分泌専門医)、内科医2名
看護部:外来、病棟:ホルモン日内変動採血、負荷試験、蓄尿
リハビリ科:運動能力・筋力評価、段階的運動療法GET療法
検査科:超音波、生理機能検査
薬剤部:ME/CFS処方の薬剤指導
受診・入院の手続き
浮間中央病院の内科外来に電話ください。外来予約をします。遠方の患者さんは福田のメールアドレスを教えますので、先ずは電話ください。
浮間中央病院 電話: 03-3907-8711
外来:月曜日午前、水曜日午前午後、木曜日午前、金曜日午後、土曜日午前受診希望者は電話で予約をお願い致します。
コロナ後遺症の症状
新型コロナウイルス感染症から回復した後にも、罹患後症状(いわゆる「後遺症」)として様々な症状が見られる場合があります。
その9割はコロナウイルスが脳内に浸潤することによる筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)によります。
ME/CFSの国際診断基準(5/8項目以上で診断)
1. 安静時疲労感
2. 労作後の回復しない疲労感
3. 筋肉痛・関節痛・頭痛
4. 睡眠障害(入眠障害、中途覚醒、昼夜逆転)
5. 集中力・短期記憶力の低下、言語想起障害、光・音過敏、筋力低下
6. 自律神経症状:起立性低血圧、体位性頻脈(POTS)、嘔気、過敏性腸症候群、頻尿
7. 神経内分泌症状:体温調節不全(微熱)、発汗過多、四肢冷感、温熱・寒冷不耐性
8. 免疫異常:食品や薬品・化学物質に対する以前はなかった過敏症
ME/CFSの病態
ME/CFSの労作後疲労感は脳細胞ミトコンドリアエネルギー障害によります。
脳内神経伝達経路の障害
ドーパミン経路が障害されると起立性循環障害、ノルアドレナリン系が障害されると体位性頻脈(POTS)、セロトニン系が障害されると鬱状態になります。
脳内ミクログリア細胞の活性化
脳のコロナウイルス浸潤に対し、免疫細胞であるミクログリア細胞が活性化されミクログリア炎症を起こし、ME/CFSの病態が確立し慢性化します。
コロナ後遺症における副腎疲労の併発
視床下部・下垂体・副腎系
副腎皮質ホルモンであるコルチゾールは視床下部・下垂体・副腎系で調節され、早朝に高く、夜中に下がる日内変動を示します。
我々はME/CFS患者さんを入院精査し、安静時倦怠感はACTH、コルチゾールが低下する副腎疲労によることを見出し、令和6、7年の日本疲労学会で報告しました。
視床下部性副腎不全の併発
コロナ後遺症としての全身倦怠感の1つの原因が視床下部性副腎不全であります。コロナウイルスが脳視床下部に感染すると、脳下垂体への命令が阻害され、視床下部性副腎不全により、全身倦怠感、食欲低下が起こります。また視床下部症候群による、嘔気、体温調節異常などの自律神経症状が現れます。神戸大学医学部糖尿病内分泌内科学から2022 Endocrine Journal誌に報告されています。
副腎不全・ME/CFSクリニカルパス内容(入院精査)
コロナ後遺症で全身倦怠感のある患者さんは以下のスケジュールで内分泌学的に入院精査します。
1. 脳MRI検査、副腎皮質ホルモン製剤服用の効果をみます
2. 副腎不全の可能性が高ければ2泊の入院検査
3. 入院1日目:24時間尿中フリーコルチゾール・リハビリ科での運動能力評価
4. 入院1〜2日目:ホルモン日内変動 ・自己リハビリ指導
5. 入院2日目:下垂体4者負荷試験・自己リハビリ指導
6. 入院3日目:迅速ACTH負荷試験 ・自己リハビリ指導
コロナ後遺症ME/CFS患者さんの脳MRI VSRAD解析
コロナウイルス(COVID-19)の受容体ACE2は嗅覚など脳の多くの場所で発現しているので、VSRADでの灰白質容積レベル低下スコアが嗅球に高く、脳内に散在性に高いスコアが見られ、視床下部にも見られると視床下部性副腎不全を起こしている事が分かりました。
令和6年のコロナ後遺症272名の入院精査結果
視床下部性副腎不全単独12名、ME/CFS 237名で9割を占め、その内視床下部性副腎不全併発146名、原発性副腎機能低下27名で、コロナ後遺症の内7割は副腎不全でありました。
ACTH・コルチゾールの日内変動
ACTHの日内変動で、橙は視床下部性副腎不全のみ、青はME/CFSで内分泌異常がなし、赤はME/CFSで視床下部性副腎不全、緑はME/CFSで原発性副腎機能低下症です。ME/CFSで視床下部性副腎不全は視床下部性副腎不全のみと全く同じようACTHは低下しておりました。コルチゾールの日内変動もME/CFSで低下しておりました。
下垂体4者刺激試験結果
下垂体4者負荷試験でACTHはME/CFS、視床下部性副腎不全単独でも、ME/CFS+原発性副腎不全でも正常に反応しており、下垂体に異常が無い事がわかります。
ACTH負荷試験、尿中コルチゾールの結果
外からのACTHによる副腎刺激のコルチゾールの変化ですが、ME/CFS、視床下部性副腎不全単独では正常反応、ME/CFS+原発性副腎不全では低反応でした。
尿中コルチゾールは視床下部性副腎不全のみ、ME/CFS+視床下部性副腎不全、ME/CFS+原発性副腎機能低下症で低値でした。
ME/CFSと副腎不全との関係
コロナ後遺症の全身倦怠感でのME/CFSと副腎不全との関係を示します。ME/CFSと視床下部性副腎不全を併発している患者さんが6割、視床下部性副腎不全単独で2割で、原発性副腎不全と合わせて9割に副腎疲労があり、基本的に治療に副腎皮質ステロイドの補充を行わないと、全身倦怠感は改善しないと考えられました。
確立したME/CFSの治療法
薬物療法
視床下部性副腎不全(安静時倦怠感)に対し
●コートリル:ME/CFSパスの結果でのACTH-Cortisol低下に基づいて
●柴苓湯 8.1g 分3(視床下部の修復を起こす)
ミトコンドリアエネルギー障害(労作後倦怠感)に対して
●タウリン散9g/日
●ノイキノン(CoQ10) 30mg/日
●5-ALA 50mg(サプリメント通販)
脳免疫ミクログリア炎症の抑制
●ミノサイクリン100mg
●抗リウマチ剤:リマチル200mg/日 または ケアラム50mg/日
脳免疫抑制ステロイドセミパルス療法
ミノマイシン・リマチル・ケアラムの免疫抑制剤を投与しても、脳ミクログリア活性化による全身倦怠感、全身痛(線維筋痛症)、筋力低下、脳疲労、自律神経障害の改善が不十分な患者に脳免疫抑制ステロイドセミパルス療法を3クール行います。
回復しない疲労
●シンメトレル(ドーパミン刺激)
●漢方薬:人参養栄湯(ミトコンドリア機能改善作用ある) 補中益気湯(免疫低下がある時)
●フルスルチアミン150mg 分3(運動量の増加、脳内ドーパミン増加)
筋肉痛・関節痛・頭痛
●トリプタノール(視床症候群、中枢性疼痛)
●トラムセット
起立性低血圧
●ドプス(100) 4錠 分2
不眠、概日リズム異常
●SSRI パキシル10mg(セロトニン刺激)
●ロゼレム8mg(メラトニン刺激)
●モディオダール100mg(過眠に対して)
リハビリテーション:段階的運動療法(GET)療法
ME/CFS患者は労作後倦怠感(PEM)やクラッシュを起こすので、運動能力評価とミトコンドリアエネルギーを超えない段階的運動療法(GET)療法を行います。エネルギーの許容量を超えないように6分間歩行でMETS単位で計算し、それを超えない運動をするプログラムを指導します。
歩行支援ロボットを用いたリハビリ:Physibo Gait
ME/CFS患者さんの多くが筋力低下から歩行障害があり、当院リハビリテーションセンターでは歩行支援ロボットPhysibo Gaitを用いてリハビリを行なっております。
Physibo Gaitが麻痺患者の筋力改善機序
1. 通常運動療法よりロボットにより負荷の無い他動的歩行反復練習で、障害されてない脳が歩行命令を記憶する。
2. 関節可動域の増大。
3. 歩行障害の左右差の是正。
4. 歩く意欲の改善と報告されている。
ME/CFS治療のまとめ
ME/CFSの倦怠感にはステロイド補充、脳ミトコンドリアエネルギー薬、脳免疫抑制薬、リハビリテーションの総合的治療が必要
コロナ後遺症センター外来・入院の流れ
これまでの実績 2023年〜2026年3月
コロナ後遺症外来新規来院者:663名
コロナ後遺症精査入院数:642名(都内患者523名、都外119名)
仕事や学校への復帰率 85%(PS8、9からPS3)
浮間中央病院 電話: 03-3907-8711
外来:月曜日午前、水曜日午前午後、木曜日午前、金曜日午後、土曜日午前受診希望者は電話で予約をお願い致します。





