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コラム8

「血圧について」

浮間中央病院 看護部 松本 正美
渡部 達也

循環器疾患を患っている多くの方は降圧剤、利尿剤を内服していると思います。
夏場は発汗が多く脱水になりやすく、そのうえ薬が効きすぎることがあるため、血圧が下がりやすくなります。
今回は、正しい血圧の測定方法を紹介していこうと思います。

~ 血圧の正しい測り方 1 ~
人間の血圧は、一定なわけではありません。時間や環境によって変動していくものです。そのため、血圧の測定は、きちんとした手順や環境を整えて、定期的に測定する必要があります。

!血圧は、時間や環境によって変化する!

血圧は1日を通じて一定ではありません。食事、飲酒、喫煙、運動、入浴、仕事など、状況によって数値は変動します。血圧管理の第1歩は、正しい血圧測定から始まります。
血圧を正確に計るためには、以下のポイントに注意してください。

1. 体の力を抜いてリラックスする
トイレを我慢しているときや、出かける直前のあわただしい時間などには血圧は上昇してしまいます。また、測定前1時間位の間には、食事・入浴・運動は避けてください。

2. 座って測定する
血圧は、「心臓の高さにある上腕の血圧を座って計測した値」が基準です。必ず座って測定しましょう。

3. 毎日同じ時間に測る
血圧は、時間によって変動するため、同じ時間に測らないと、日々の変化がつかめません。

4. 信頼できる血圧計を選択する
上腕部にカフを巻くタイプのものがおすすめです。手首や指先で測る血圧計では正確な測定ができないことがあります。

~ 血圧の正しい測り方 2 ~
血圧は、測る時間や環境、手順によって変動するものです。環境をきちんと整えて、正しい手順で、規則的に測定する習慣を持つことが、血圧の管理には大切です。
正しい手順で、正確に測定をしましょう。

<用意するもの>
• 上腕で測る血圧計
• タオル(上腕を心臓と同じ高さにするために使用します)

1. 上腕動脈を探す
机の上にタオルを用意し、上腕部が心臓とだいたい同じ高さになるように、タオルで高さを調節します。反対側の手で、ひじのあたりを触りながら、脈を打っている部分(上腕動脈)を探します。

2. カフの中心を探す
腕に巻くカフには、長方形のゴムの袋が入っています。このゴム袋の中心が、だいたい上腕動脈上にくるようにします。

3. カフをひじから指1本分上に巻く
カフは、空気を完全に抜いて、カフの下端が、ひじの中心から指1本分上に来るように巻きます。指が1本はいるくらいのきつさにします。

4. 血圧計のスイッチを押して測定する
血圧は、イスに座って測定した数値が基準になります。測る際には、背筋を伸ばし、カフと心臓を同じ高さにし、腕には力を入れないように注意してください。

~ 血圧の記録方法 ~
血圧は、短期間の測定で判断せず、できるだけ継続的に、毎日測定・記録し、血圧の変化を把握することが、血圧管理における最も重要なポイントです。(血圧記録表をご活用ください)

日付・・1日1回測るようにしましょう。変化をつかむためには、毎日記録することが大切です。
時刻・・同じような時間に測定するようにしてください。朝の起床後1時間以内と夜の就寝前の測定をおすすめします。
血圧・・最大血圧(収縮期血圧)と、最小血圧(拡張期血圧)を記録してください。折れ線グラフでつないでいくと、変化をわかりやすく見ることができます。
メモ・・睡眠不足や体調の変化など、気付いたことはメモしておきましょう。

~ 最後に ~
血圧が低すぎると眩暈を起こして転倒したり、また高血圧は心疾患、脳卒中、動脈硬化の原因ともなります。正しい血圧の測定方法を身につけ、自身の血圧をしっかりと管理していきましょう。
サイドメニュ