下肢静脈瘤(下肢が重い・だるい・むくみやすい・つる方)

【下肢の血管について】
血管には動脈と静脈があります。
動脈が詰まったり、狭くなったりすると、歩行時のふくらはぎ、足底の痛み、足先の冷感が出現します。進行すると壊疽に陥り切断に至ることもあります。深部静脈が詰まると、足がソーセージのように腫れ上がり、痛みを伴うこともあります。血栓が肺動脈に飛ぶことがあり、息苦しくなり、死に至ることも報告されています。

【静脈の特徴】
重力に逆らって心臓へ戻らなければならないため、深部、大・小伏在静脈、交通枝に弁がついて、逆流しない構造になっています。表在静脈の障害は四肢の機能に影響を及ぼすことはなく、抜去しても、生活に影響はでません。
車で言う予備タイヤのようなものです。

【静脈の種類】
重力に逆らって心臓へ戻らなければならないため、深部、大・小伏在静脈、交通枝に弁がついて、逆流しない構造になっています。表在静脈の障害は四肢の機能に影響を及ぼすことはなく、抜去しても、生活に影響はでません。車で言う予備タイヤのようなものです。

【下肢静脈瘤はどうして起こる？】
表在静脈の弁が壊れ、静脈血が逆流することによって、長い経過で、静脈が拡張し、瘤状になる病態です。ほとんどの弁機能不全は大・小伏在静脈と交通枝に起こり、深部静脈にはめったにおこりません。

【症状について】
血液のうっ滞による症状がでます。下肢が重い、だるい、むくみやすい、つるといった症状です。

【放置すると】
静脈瘤の範囲が拡大し、やがて血液成分の血管外漏出により、主に下腿内側に皮膚の茶色い変色がおこり、時にかゆみをともないます。
さらに放置すると静脈うっ滞性潰瘍へ増悪します。

【治療について】
弾性ストッキング着用により、症状の軽減、病状の進行の遅延が得られますが、根治は得られません。逆流している表在静脈（大・小伏在静脈、交通枝）を抜去(ストリッピング手術)、あるいは焼灼（レーザー焼灼術）、薬剤による硬化（硬化療法）を行い、下肢の静脈うっ滞を解消することにより、症状、色素沈着、潰瘍の改善が得られます。

【治療の時期は】
症状の出現、皮膚の変色、潰瘍出現時が適応時期です。

【治療方法：レーザー焼灼術】
逆流している大・小伏在静脈に超音波ガイド下にレーザーカテーテルを挿入し、逆流範囲の静脈を焼灼します。その際、焼灼予定血管全長周囲に局所麻酔と冷却のための生理食塩水を注入するため、穿刺7-8回と注入時に痛みがでます。痛みに弱い方は腰椎・全身麻酔下に行うこともあります。
局所麻酔だけですと、外来通院のみで行えます。希望に応じて、2−3日の入院も可能です。
レーザー焼灼術に加え、太ももの付け根を2-3cm切開し、大伏在静脈を露出結紮し、大切な深部静脈へレーザーカテーテル誤挿入、再発防止を防ぐことがあります。交通枝が太い場合は切開を加え結紮します。抜糸は1週間後に行います。

【合併症について】
焼灼部に痛み、ぴりぴり感がでることがあります。深部静脈血栓症の合併が1％以下の低頻度で報告されています。また、焼灼部の再開通の報告にあります。