コラム26

“Happy Nappy Life”

リハビリテーション科主任  副看護部長  高橋麻由美


“Happy Nappy Life”という言葉を、皆さんは聞いたことがありますか?“Nappy”はイギリス英語で“おむつ”のことを意味します。 私は、皮膚排泄ケア認定看護師やオムツフィッター1級の介護職の仲間たちと“Happy Nappy Life”という活動をしています。 “Happy Nappy Life”は、その方にあったおむつの選択と生活に合わせたケア方法の提案ができるようになる為のセミナー開催や、 おむつのイメージアップを図るための活動をしています。そこで、今回は排泄にまつわるお話をしたいと思います。

【 尿が漏れるのは年だから…とあきらめてはいませんか? 】
尿が漏れる原因は、大きく分けて4つあります。
機能性尿失禁:排尿機能は正常でも、脚や腰が痛いなど体の機能が低下し、 トイレに行くのが間に合わなかったり、着物を脱ぐのが間に合わなかったりして漏れてしまう状態です。トイレまで導線を短くし、 移動しやすいように手すりを設置する、脱ぎやすい衣服を着るなどが対策になります。
腹圧性尿失禁:加齢や出産、体重増加などで骨盤底筋が緩んで、くしゃみをした時や重いものを持ったときに尿が漏れてしまう状態で、 骨盤底筋体操等することで改善が期待できます。

切迫性尿失禁:急に尿がしたくなり、我慢できず漏れてしまう状態です。尿をためる訓練やお薬を使うこともあります。

溢流性尿失禁:尿がたまっているのに、しっかりと出し切ることができずに少しずつ漏れてしまう状態です。男性では、前立腺肥大でバルブが緩まない状態や、 女性では直腸がんや子宮ガンの術後などに排尿に関わる神経がうまく機能しないことで起こります。膀胱がいっぱいになり腎臓から尿が流れていくことができなくなると水腎症や腎盂腎炎などを起こすことがあります。

「尿が漏れた」なんて、恥ずかしくてなかなか人に相談できないかもしれません。年だからとあきらめる方もいるかもしれません。でも、尿失禁の中には治せるものがあります。訓練や生活環境の調整で、予防できるものあります。とりあえずおむつを当て対処することは良いですが、 放置すると命に係わる尿失禁もありますので、一人で抱え込まず、泌尿器科医などの専門家に相談しましょう。

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