「太陽の都」コラム2
介護老人保健施設「太陽の都」 施設長 川本 清
梅雨らしい天気が続いています。いかがお過ごしでしょうか。
去年、施設長となり一年が過ぎました。現在、私は東京都介護支援専門員(ケアマネ)実務研修中です。介護、保健、医療の世界では「多職種協働」が大事な理念になっています。支援を必要とする人を中心に、各分野の専門職が壁を無くして、その人の為のベストのケアを行いましょう、と言う考えの事です。
去年から、NHK他で「ユマニチュード」―――相手に安心してもらえる関係をつくっていく工夫―――の紹介をよく見聞きします。10日の今日も再放送が始まりました。私も、外来で「帰る、帰る」と叫ぶ認知症の高齢女性の顔の怪我の手当てを「ユマニチュード」の工夫を用いて上手くする事が出来ました。最後には「どうも有難うございました」と言って戴きました。「都」の入所、通所の介護職員の取り組む姿勢は評価を頂いていると思っていますが、利用者の皆様とより良いコミュ二ケーションをする為に、この度、原田介護長がユマニチュードの研修を受けました。介護長からの伝達講習を受けるのが楽しみです。
「都」の様に、自宅での生活が困難となった高齢の皆様が集団生活をしている施設では、褥瘡予防、感染対策が大事な務めです。手前味噌ですが、当法人には、皮膚・排泄ケア認定看護師である高橋看護師長(日本創傷・オストミー・失禁管理学会評議員)がいます。体調を崩し一ヶ月ぶりにデイケアに来られた通所の方に、お腹にやけど、お尻に深い褥瘡が出来ていました。早急に高橋さんに介入して貰い、家での手当ても教えてもらい、ほぼ一月で治りました。
もう一人、驚いた症例があります。デイケアに来て戴いている、何回も褥瘡の手術を受けておられる方です。通っている大学病院の皮膚科で「もうこれ以上は良くならないでしょう」と言われていたのですが、高橋さんの介入により一月で見違える程皮膚の状態が良くなり、私も、看護師も、介護士も皆驚きました。やはり、長い時間を過ごす、自宅での手当ての指導の大事さを理解しました。
5月から定期的に「都」に来て貰っていました高橋師長ですが、この7月、副看護部長となりました。私も 傷・褥瘡治療に大きな力を貰っています。リハビリ科の皆もポジショニング、移乗の際の注意点が解るので安心して治療にあたれます。
元々、顔の見える関係なので「多職種協働」は出来ていると思っていますが、現状にとどまらず、利用者様の幸せの為に、皆がより良いコミュニケーションをつくっていけるよう努力していく所存です。
2回目はこれでお終いにします。皆様、御自愛のほどを。