Peritoneal Dialysis Treatment

腹膜透析治療

 

腹膜透析治療とは

腹膜透析治療は、1993年よりわが国で認可されている治療法です。患者数は、全国で約1万人。
主に在宅で治療を行うため病院への通院回数は、1~2回/月です。その方のライフスタイルに合わせて治療が選択できるので、通学やお仕事を継続することも可能です。最近は、感染を極力起こさない接続機器や腹膜組織の温存に有効な新しい透析液も使用できるようになったことから、当院でも2017年10月より腹膜透析を開始いたしました。

 

腹膜透析の原理

腹膜に囲まれた腹腔内に透析液を注入し、一定時間(4~8時間程度)入れておくと腹腔内の血管を介して血液中の体に不要な老廃物や余分な水分、電解質が腹腔を介して透析側に出てきます。腹腔内に貯留した透析液を1日数回新しい液に交換することで、尿毒症症状を改善する ことができます。※1日の交換回数は残存腎機能によりその方により変わります。

 

腹膜透析(CAPD/APD)の特徴

  • 在宅医療です。
  • 体内の腹膜を利用し、血液中の老廃物や余分な水分を除去します。
  • 毎日透析を行いますので、お体への負担が少ない治療法です。
  • 通院は、月に1~2回です。
  • 自宅や職場・学校でもバック交換が可能ですし、夜間寝ている間に治療を行うAPDを選択すれば、日中のバック交換は無とすることで、ご自身の生活スタイルにあわせた治療が行えます。
  • 治療は、患者さま自身、ご家族で行えます。
  • 個人差はありますが、透析導入後でも残っている腎臓の機能をより長く保つことができることから、残存腎機能の保持効果があります。 ・ご自身の腹膜を利用しますので、いつまでもできる治療ではありません。長くても8年継続または無尿になる頃に血液透析の週1併用か移行を検討することになります。

 

内科・腎臓内科 橋本梓医師より

透析になっても出来るだけ今までの生活リズムを壊したくない!
出来るだけ家で生活したい・させたい!
腹膜透析はそんな要望に応えられる治療です。
最近は機器も進歩し、かなり簡単に操作できるようになりました。
今まで、『透析=血液透析=週3回4時間病院通いで、半日潰れる。』というイメージを持っていた方。腎代替療法の一つとして是非腹膜透析も選択肢に入れてみてください。
当院は、万全の体制を整え、出来るだけ皆様の希望を叶える医療を提供していきます。

 

■腹膜透析と血液透析のちがい

CAPD/ APD 血液透析
透析場所
 
通院回数
自宅、会社など清潔な場所ならどこでも可能
月1-2回
病院
 
月9-13回(週2-3回)
社会復帰 生活リズムに合わせて透析可能 週2-3回、1回4-5
時間の透析中は拘束される
水分・老廃物の体内移動 いつもほぼ一定で体調が安定 透析前と後の差が大きい
透析による自覚症状 腹部膨満感 透析中:頭痛、嘔吐、血圧下降
透析後:疲労感
自尿の維持 ある程度の時間、尿量は維持 透析導入後、急激に尿量減少
食事制限
水分
食塩
カリウム
リン
カロリー
比較的ゆるやか
ある程度自由
かるい制限
ほとんど制限なし
制限あり
制限あり
厳しい制限
制限あり
制限あり
制限あり
制限あり
かるい制限
旅行 薬剤・器材があれば、どこでも旅行可能
バッグ交換時以外拘束なし
事前に旅行先の透析施設の予約が必要
透析中は拘束される

APD(自動腹膜透析)とCAPD(連続携行式腹膜透析)患者さんの1日